1型と2型で異なる薬物療法

1型糖尿病の場合

1型糖尿病は、インスリンの分泌が絶対的に不足しているため、インスリン治療(インシュリン療法)を行う必要があります。症状に応じて運動を制限する場合があるので、1型では薬物療法が重視されています。

2型糖尿病の場合

経口糖尿病薬食事療法と運動療法が治療の中心です。しかし、食事の改善や運動を取り入れた生活を行っても思うように血糖コントロールができない場合、薬物療法も併用されます。

2~4ヶ月行っても結果が得られない場合に導入が検討されます。この場合は経口糖尿病薬(飲み薬)が主な治療薬です。経口糖尿病薬による治療でも、血糖コントロールがうまくいかない場合にはインスリン療法を行います。

「インスリン療法」と「経口糖尿病薬」

インスリン療法

インスリンを注射によって直接補給する治療法のことです。確実に血糖値をコントロールできるということで、軽症のうちから取り入れるのが最近の傾向です。
使用されているインスリン製剤には、さまざまな特徴を持つものがあります。自分にもっともふさわしい製剤を選択することが、改善への近道です。

種類 作用するまでの時間 最も強く作用する時間 作用が持続する時間
超即効型 10分~20分 1~3時間 3~5時間
時間速効型 約30分 1~3時間 5~8時間
中間型 約1時間半 4~12時間 約24時間
混合型 約30分 2~8時間 約24時間
持続型 約4時間 8~24時間 24~28時間
特効型 約4時間 - 24~28時間

経口糖尿病薬

目的や作用の違いにより、糖尿病の飲み薬は5つに分けることができます。
それぞれ特徴・服用時間・副作用に違いがありますので、主治医に飲み方や注意する点をしっかり確かめ服用しましょう。
経口糖尿病薬の働き

種類・名称 特徴 服用 注意点(副作用など)
インスリンの分泌を促す スルホニル尿素薬 使用歴が長く一般的。膵臓からインスリン分泌を促す。膵臓が疲弊してインスリンの分泌が不十分になった場合、食後血糖値が著しい場合などに用いる。 1日1~2回
食事の20~30分前
低血糖、食欲増進、
二次無効(効果が表れにくくなる)
速効型インスリン分泌促進薬 膵臓に作用してインスリン分泌を促す。比較的作用時間が短い。糖尿病が発症して間もない患者、軽症の患者に対して用いる。 1日3回
食事の直前
服用後すぐに食事をしないと低血糖を起こす
ブドウ糖の吸収を遅らせる α-グルコシダーゼ阻害薬 腸管からのブドウ糖の吸収を遅らせ、食後の急な血糖値上昇を防ぐ。 食事の直前 他の薬と併用時の低血糖、腹部膨満感、
下痢、便秘など
インスリンの働きを改善する ビグアナイド薬 腸管からのブドウ糖の吸収を遅らせる。インスリンの働きを改善し、ブドウ糖が効率よく利用できるよう促す。 食後 食欲低下、吐き気、腹痛、筋肉痛など
インスリン抵抗性改善薬 肝臓や筋肉に対するインスリンの働きを増強。ブドウ糖の取り込みを促す。血液中の中性脂肪値を低下させる。 1日1回朝食前又は朝食後 むくみ、貧血、体重増加など